🧨中古マンションが抱える「見えない爆弾」
■「え、なんで急にこんなに上がるの?」
福岡市内のある中古マンションに住むAさん(40代)は、理事会から届いたお知らせを見て目を疑いました。
「来年度より修繕積立金が月額1万円から2万5千円へ変更となります」
購入時、不動産会社からは「管理費・修繕積立金も安定していますよ」と説明を受けていたAさん。
それが、わずか数年で2倍以上に跳ね上がるとは思ってもいませんでした。
■なぜそんなことが起きるのか?
実はこの“値上げ”には、誰もが気づかないカラクリがあります。
10年前、分譲時に販売会社は「売りやすくするため」に、
修繕積立金をあえて安く設定して販売していたのです。
月1万円の積立なら、購入時のランニングコストも安く見えて、
「月々の支払いが楽そう」と感じる人が増えます。
でも、それは最初だけの幻。
年月が経ち、エレベーターの老朽化、外壁のひび、給排水管の劣化…。
1回目の大規模修繕を迎えるころ、ようやく現実が見えてきます。
■「見捨てる」管理会社の実態
さらに怖いのが、“管理会社の入れ替え”問題。
修繕積立金が足りず、計画が立てられなくなったり、
住民同士が対立したりすると、
中には「もう面倒見きれない」と手を引く管理会社もあると言われています。
そうなるとどうなるか。
→ 管理の質が低下し、
→ 資産価値も下がり、
→ 売ろうにも買い手がつかない。
Aさんも結局、修繕積立金の値上げが響いて売却を検討しましたが、
「この金額なら新築戸建ても買える」との理由で買い手がつかず、
身動きが取れなくなってしまいました。
■追い打ちをかける“物価高”と“人件費の高騰”
さらにここ数年で、修繕費用の見積りは大きく跳ね上がっています。
資材費・人件費の高騰により、
10年前と同じ金額では到底まかなえないのが現実です。
管理会社や施工会社も値上げを余儀なくされ、
「積立金が足りない」「追加徴収が必要です」
という通知が全国で急増しています。
■実需用不動産で“勝ち組”なのはどっち?
もちろん、マンションには「利便性」「セキュリティ」「管理の手間がない」などの利点もあります。
しかし、実需用(自分が住む目的)の不動産として考えるなら、
長期的に見て“安定”しているのはやはり戸建てです。
なぜなら――
-
修繕も自分のタイミングで調整できる
-
管理費・積立金という「固定コスト」がない
-
物価高騰の影響を受けにくい
-
将来的にリフォームや建替えも自由
マンションは“共有部分”が多い分、自由がきかず、
誰かが怠れば全体が沈むリスクを抱えています。
■まとめ
中古マンションは“価格”だけ見ればお得に見えるかもしれません。
でも、その裏に潜む「修繕積立金爆弾」は、
買った後に気づく人がほとんどです。
これから住宅購入を検討する方へ。
もしあなたが「将来も安心して住みたい」「家族の資産を守りたい」と思うなら、
数字に表れないリスクにもぜひ目を向けてください。
そして――
戸建てという“実需の王道”が、
いま改めて見直される理由がここにあります。





